

Contents
- 1 事前基礎知識
- 2 AWS 6つの移行戦略
- 3 MAP
- 4 CART【クラウド移行準備評価】
- 5 MRA【CARTの上位】
- 6 Application Discovery Service【オンプレ使用状況】
- 7 Migration Evaluator【移行後のコスト予測】
- 8 MPA【移行計画の評価】
- 9 Migration Hub【移行計画ダッシュボード】
- 10 Application Migration Service【クラウドへの移行実施】
- 11 Server Migration Service【仮想マシンの移行】
- 12 DataSync【ストレージファイル移行】
- 13 DMS【オンプレDBの移行サポート】
- 14 Schema Conversion Tool【DB間スキーマー移行】
- 15 Babelfish for Aurora PostgreSQL【コードを変更しない】
事前基礎知識
- Change Data Capture (CDC)
データベースにある情報が変わるたびにその変更を見つけて追跡し、複数のシステムをすべてのデータ変更と同期させる。
(データの完全ロードおよび変更データキャプチャ)
【AWSへの移行を加速させる】
ポートフォリオ評価は最初のステップ。
AWSのツールは、ビジネスや技術に関する情報を迅速に評価し、意思決定することを支援する。
AWSのツールを利用してポートフォリオを評価することは、利益を定義し、インサイトを提供し、進捗状況を追跡するのに役立つ、クラウドジャーニーの重要な最初のステップ。
「Migration Evaluator」「Migration Hub」「Application Discovery Service」を利用する。
引用元:AWSへの移行を加速させる
AWS 6つの移行戦略
プラットフォーム再編はアプリケーションのコアアーキテクチャを変更することなく具体的な利点を実現するための、クラウド最適化によりクラウドへの移行を支援する。
選択肢として、以下がある。
- リホスト
(リフトとシフト)
現在の環境をそのまま移行し、徐々に最適化する。 - プラットフォーム再編
(リフト、ティンカー、シフト)
コアの部分を変えず部分的に最適化した上で移行する。 - 再購入
(ドロップアンドショップ)
現在のシステムやアプリケーションの使用を廃止し、新しいシステムやアプリケーションに移行する。 - リファクタリング/再設計
現在のシステムやアプリケーションを見直し再設計した上で移行する。 - 使用停止
不要なシステム・アプリケーションの使用を停止する。 - 保持
移行しない。
[公式詳細サイト]
MAP
※MAP:Migration Acceleration Program
クラウド移行を支援するための確立された方法論。AWSに申請後、審査が通れば移行プロジェクトに対してAWSが資金面、技術面で支援してくれる。
- 実績のある 3 段階のフレームワーク (Assess、Mobilize、Migrate and Modernize) を使用して、移行目標の達成を支援。
※Assess(評価)、Mobilise(移行計画・立案)、Migrate and Modernise(移行とモダン化) - MAP を通じて、強固な AWS クラウドの基盤を構築し、リスクを加速、軽減し、移行の初期コストを相殺。
ただし、移行コンピテンシー認定パートナー(MCP)を持っているパートナーのみが対象。
[公式まとめ]
CART
【クラウド移行準備評価】
※AWS 導入準備ツール:CART(Cloud Adoption Readiness Tool)
クラウドの準備状況を簡易的にチェックできる。
お客様の組織のクラウド移行の準備状況を CAF(Cloud Adoption Framework)というフレームワークに基づいた 複数の設問 (日本語) で構成されたオンライン調査から、結果をまとめて評価レポート(日本語) を作成する。
連絡先を提供して、準備状況と改善点を示すカスタマイズされたクラウド移行評価をダウンロードできる。
- CAF(Cloud Adoption Framework)
AWSへのクラウド導入にあたり、組織が持つスキルとプロセスにどのような変革が必要かを示すフレームワーク。非技術領域と技術領域に分かれている。
・非技術領域:ビジネス、人材、ガバナンス、
・技術領域:セキュリティ、プラットフォーム、オペレーション
上記、6 つのパースペクティブを示したヒートマップとレーダーチャートに加えて、詳細なスコアリング情報とリソースが含まれる。
MRA
【CARTの上位】
※MRA:Migration Readiness Assessment
CAFに基づくCARTよりも多い詳細な質問により、移行準備の評価を実施する。データ収集やTCOレポート、ユーザーの課題を可視化を実施。
質問を5段階の成熟度で回答すると、レポートが作成される。
・クラウド移行に関する課題を明確化
・クラウドに移行する際に必要となるタスクの抜け漏れを洗い出し
・その後の移行計画のインプットとして利用されることを目的としている。
Application Discovery Service
【オンプレ使用状況】
移行のためにオンプレミスサーバーやVMの使用状況と構成データを収集して適切なサイズのEC2インスタンスを生成し、Migration Hub での移行を計画するソフトウェア。
・収集されたデータは Application Discovery Serviceのデータストアに暗号化された形式で保持される。
※検出と移行の対象となるオンプレミスサーバーと VM にインストールすることで使える
〇検出機能
- オンプレミスサーバーインベントリを検出
サーバーのホスト名、IP アドレスと MAC アドレス、主要なリソース割り当ての詳細を収集し、インベントリの検出を実施して移行を加速。
- ネットワーク通信パターンをマッピング
アプリケーションとサーバー間の接続を調べて、不明なサーバーを検出し、依存関係をより良く理解し、移動グループを確立する。
〇Migration Hub統合
Migration Hubと統合されている。
発見されたサーバーを表示し、アプリケーションにグループ化し、ホームリージョンのMigration Hubコンソールから各アプリケーションの移行ステータスを追跡できる。
全ての発見されたデータはMigration Hubホームリージョンに保存される。
※ディスカバリーおよび以降アクティビティを実行する前に、Migration HubコンソールまたはCLIコマンドでホームリージョンを設定が必要。
Application Discovery Agent
【構成データ収集】
使用状況などの構成データを収集する機能。
サーバーのホスト名、IPアドレス、MACアドレス、CPU割り当て、リソース使用率、ネットワークスループット、メモリ割り当て、ディスクリソース割り当て、DNSサーバーといった静的設定内容を含む様々なデータを収集する。
・システム間のネットワーク接続を特定することで、サーバーのワークロードとネットワークのリレーショップの判定にも役立つ。
・システム設定、システムパフォーマンス、実行中のプロセス、およびシステム間のネットワーク接続の詳細をキャプチャする。
※Linux および Windows オペレーティングシステムの大半をサポートし、物理的なオンプレミスサーバー、Amazon EC2 インスタンス、および仮想マシンにデプロイできる
Agentless Discovery Connector
【VM情報収集】
VMware 仮想マシン (VM) に関する情報のみを収集できる VMware アプライアンス。
Open Virtualization Archive (OVA) ファイルを使用して VMware vCenter Server 環境に VM として本機能をインストールする。
【エージェントレス検出】
VMware Vcenterを介してApplication Discovery Service Agentless Collecter(OVAファイル)をデプロイすることで実行。
オペレーティングシステムの種類を問わず、VMware メタデータに基づいてサーバー情報を収集するため、オンプレミスインフラストラクチャの初回評価の所要時間を最小限に抑える。
(サーバーホスト名。IPアドレス、MACアドレス、ディスクのソース割り当て、VMの利用状況データ、CPU、RAMなど)
Migration Evaluator
【移行後のコスト予測】
AWS クラウドでオンプレミスワークロードを実行することによる予測コスト見積もりと節約を含む評価を速やかに受け取れる。
・現在のオンプレミス環境の詳細な現状分析し、移行後のAWSクラウドでのコストを予測。
・オンプレミスのリソース使用状況を分析し、AWSでのリホストにかかる予測コストやインフラストラクチャ、ソフトウェアライセンスごとのコスト内訳を示す。
- Migration Evaluatorエージェントレスコレクター
移行先でのリソース要件やパフォーマンス予測、コストの見積もりなどを評価する。
リソースの適切な割り当てや設計、移行に必要な手順やリスクの特定が可能になる。
以下のような情報を評価のために収集する
・リソース使用状況:サーバー、ストレージ、ネットワークなどのリソースの使用状況や負荷。
・トラフィック分析:ネットワークトラフィックのパターンや負荷を分析し、移行後のネットワークの設計や帯域幅要件を評価。
・アプリケーションの依存関係:システム内のアプリケーションやサービスの依存関係を調査し、移行計画に必要な情報を提供。
・セキュリティ評価: セキュリティポリシーやアクセス制御などのセキュリティ関連の要件を評価。
MPA
【移行計画の評価】
※移行ポートフォリオ評価:MPA(Migration Portfolio Assessment)
AWS に移行するためのビジネスケースを検証するための情報を提供するオンラインツール。
・MPA ツール (ログインが必要) は、すべての人に無料で利用できる AWS コンサルタントと APN パートナーコンサルタント。
・Webベースのデータ取り込みプロセスを使用して、さまざまな形式の構成管理データベース(CMDB)およびアプリケーションポートフォリオデータをMPAにインポートできる。
- 詳細なポートフォリオ評価
サーバーの適切なサイジング、価格設定、TCO 比較、移行コスト分析。
- 移行プラン
アプリケーションデータの分析とデータ収集、アプリケーションのグループ化、移行の優先順位付け、およびウェーブプランニングを提供。
Migration Hub
【移行計画ダッシュボード】
MAPで定義されている移行プロセスに沿った、状況追跡ができる統合的なダッシュボード。
(移行の進行状況を1つのダッシュボードで追跡管理可能)
1 か所で既存のサーバーを検出し、「移行を計画」、「各アプリケーションの移行ステータス」を追跡するための、サーバーとアプリケーションのインベントリデータを収集する一元的な場所を提供する。
・アプリケーションポートフォリオを可視化し、計画と追跡を簡素化。
・使用している移行ツールに関係なく、移行する各アプリケーションを構成するサーバーとデータベースのステータスを確認できる。
・移行をすぐに開始し、移行中にサーバーをグループ化するか、最初にサーバーを検出してからアプリケーションにグループ化するかを選択できる。
Migration Hub Strategy Recommendations
Migration Hubの機能で、移行の計画や実施を最適化するための推奨戦略やレポートを提供する。
既存のアプリケーションやシステムをクラウドに移行するために、アプリケーションの現在の状態や要件に基づいて、移行の手順やツールを選定するためのガイダンスを提供する。
【大まかな流れ】
①データ収集: 現在のシステムやアプリケーションに関する情報を収集。
※サーバーの設定、アプリケーションの構成、使用しているソフトウェアなどが含まれる。
分析: 集めたデータを分析し、クラウドへの移行に適した戦略を特定する。
※アプリケーションの依存関係やパフォーマンス要件なども考慮される。
推奨事項の提供: 最終的に、最適な移行戦略を提案します。
例えば、「リフト&シフト」(現在のシステムをそのままクラウドに移行する方法)や、「リファクタリング」(システムを最適化してから移行する方法)などがある。
Application Migration Service
【クラウドへの移行実施】
オンプレミスおよびクラウドベースのアプリケーションの移行とモダナイゼーションを簡素化、迅速化し、そのコストを削減。(仮想マシンレベルでの以降に焦点を当てている)
ディザスタリカバリ、オペレーティングシステムやライセンスの変換などのオプションにより、移行中にアプリケーションをモダナイズ(刷新)できる。
・アプリケーションレプリケーションプロセスの間もビジネスオペレーションを継続できる。
・サポートされているオペレーティングシステムを実行するどんな移行元インフラストラクチャからでもアプリケーションを移行できる。
・1 つのツールで様々なアプリケーションに対応でき、アプリケーション固有のスキルに投資する必要がなく、コストを削減できる。
Server Migration Service
【仮想マシンの移行】
※SMS:Server Migration Service
VMware、Hyper-V、Azure上の仮想サーバをAMIとしてAWSにダウンタイムを最小限に抑えて移行することができるエージェントレスサービス。
(物理サーバの移行はできない)
ライブサーバーボリュームの増分レプリケーションの自動化、スケジュール設定、および追跡が可能なため、大規模なサーバーの移行作業を簡単に調整できる。
- ダウンタイムの最小化
増分SMSレプリケーションは最終カットオーバー時のアプリケーション。ダウンタイムによる障害を最小限に抑える。
- クラウドへの移行プロセスの簡素化
数回クリックするだけで、サーバーのグループの意向を開始できる。
移行が開始すると、ライブサーバーボリュームを自動的にAWSにレプリケートしたり、新しいAMIを定期的に作成したりするなど、移行のプロセスの全ての複雑性を管理する。
コンソールのAMIからEC2インスタンスを素早く起動できる。
- マルチサーバー移行のオーケストレーション
SMSレプリケーションをスケジュールし、コンソールを使用して最初のレプリケーションのスケジュール、レプリケーション間隔の設定、各サーバーの進行状況の追跡ができる。
- サーバーの移行を段階的にテスト
増分レプリケーションのサポートにより、SMS移行されたサーバの高速でスケーラブルなテストを可能にする。SMSはオンプレミスのサーバーに増分変更を複製し、デルタのみをクラウドに転送する。
小さな変更を反復的にテストし、ネットワーク帯域幅を節約できる。

DataSync
【ストレージファイル移行】
オンプレミスストレージとストレージサービス間でデータを迅速かつ簡単に移動させる。
・完全な初期コピーと変更の増分転送をサポート。
・スケジュール可能なタスクを作成でき、継続的なデータ転送、転送されるデータを暗号化、整合性チェックを行う。
・フィルター機能を使用して特定のデータセットのみを選択してバックアップできる。
DMS
【オンプレDBの移行サポート】
※DMS:Database Migration Service
オンプレミスにあるデータベースを短期間で安全に AWS に移行できる。
データベースを短期間で安全に AWS に移行することが可能、データベース移行ツール。
これを利用してデータベース間の移行作業を実施することができる。
小規模なリレーショナルワークロード (<10 TB) の移行に使用。
Schema Conversion Tool
【DB間スキーマー移行】
※SCT:Schema Conversion Tool
※スキーマー:データの種類や大きさ、他のデータとの関連など、定義した仕様や設計
データベースエンジン間で既存のデータベーススキーマを変換でき、データ移行を効率的に行ってくれる。Microsoft SQL Server や My SQL、Oracle、PostgreSQL などのデータベースエンジンが対象となっており、異なるデータベースエンジン間でも変換できる。
ソースデータベーススキーマ、およびビュー、ストアドプロシージャ、関数といったデータベースコードに対して、オブジェクトの大部分を自動的に ターゲットデータベース互換フォーマットへと変換。
主に大規模なデータウェアハウスワークロードの移行に使用。
Babelfish for Aurora PostgreSQL
【コードを変更しない】
コードをほとんどまたはまったく変更せずに、PostgreSQL で Microsoft SQL Server アプリケーションを実行できる。
【仕組み】
Babelfish は、Aurora PostgreSQL は、Microsoft SQL Server 独自の SQL ダイアレクトである T-SQL のサポート実装。それにより、同じ通信プロトコルをサポートするようになった。
SQL Serverのクラウドリフトの際に移行先のDBが Microsoft SQL Server であれば、コードの書き換えを発生させず移行させることができる。
※SQL Server のレガシーデータベースからの移行は、時間がかかり、リソースを大量に使用する可能性があります。データベースを移行する場合、AWS Database Migration Service (DMS) を使用してデータベーススキーマとデータの移行を自動化することができますが、多くの場合、データベースとやり取りするアプリケーションコードの書き直しなど、アプリケーション自体を移行するために行うべき作業が増えます。


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